借地人からの相談 

郊外の借地権を売却したいが、売れるのでしょうか。

 郊外の借地権を売却することはできますが、希望金額で売れる可能性は低いかと思います。郊外の不動産は、所有権でも価格が低い傾向にありますので、売却しようとしている借地権が所有権と比べて安いと感じられないとお客様は検討しないと思います。

ではどうすれば借地権を処分することができるのか。

 まずは、地主に返却することを検討してはいかがでしょうか。「ただで返すのは嫌だ」となるかもしれませんが、地主によってはそのままで返却を受け付ける方もいらっしゃいます。借地人が建物の解体費用を負担せずに借地契約を解除することができます。

 次に考えるのは、借地権の戸建てを第三者に貸すという方法です。いわゆる投資用戸建てにするということです。郊外でも駅から10分以内でしたら賃貸することができるのではないでしょうか。近隣の不動産屋に賃料の相場などをヒアリングしてもいいと思います。地代を払っても毎月のキャッシュフローがプラスになるのであればしばらく保有して、売れそうなタイミングで売却するというのも「あり」だと思います。

 最後には、借地の一部と底地の一部を等価で交換し、地主と借地人がそれぞれ所有権の土地を保有するという方法です。等価交換ができれば、所有権の土地を取得することになるので、売却などの処分がしやすくなります。ただし、地主の意向(土地は手放さない等)によっては進めることができませんので、等価交換することができればラッキーくらいの感覚でよいのかと思います。

 以上が第三者へ売却が難しい郊外の借地権の処分方法となります。借地権を売却するには、譲渡承諾、建替え承諾、期間更新料、仲介業者に支払う仲介手数料、測量費など多額の費用がかかるため、元々の金額が低い郊外の借地権を手間かけて売却しても手元にはほとんど残りません。旧法の借地権は借地人に非常に有利な制度となっておりますので、すぐに売却ではなくて、まずはどんな方法が良いのか検討することから始めてはいかがでしょうか。

 

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