旧借地法の更新は、一般的に木造であれば20年、RC造などの堅固建物であれば30年で更新されます。現行の借地借家法は、木造やRC造などの区別はなく、当初30年、1回目の更新時は20年、その後は10年の更新となります。
地主から次回の更新は10年と言われてしまいました。
借地人からのご相談で、旧借地法の借地権ですが、次回の更新の期間について、地主から10年と言われてしまいました。木造の家屋ですが、いきなり今後は現行の借地借家法を適用しますとのことです。更新後の期間は20年だと思っていました。借地人と地主のどちらが正しいのでしょうか。
旧借地法では、20年の更新となります。
旧借地法(平成4年8月1日より前に借地契約)では、木造などの非堅固建物の更新後の期間は、一般的に20年となります。20年より長い期間を設定したときは、その設定期間になり、それより短い期間を設定したときでも20年と定めたものとなります。
(参考)旧法借地権の一般的な契約期間について
非堅固建物(木造等)
最初の契約期間20年~30年→更新契約後の期間20年が繰り返される。
堅固建物(鉄筋コンクリート造等)
最初の契約期間30年~60年→更新契約後の期間30年が繰り返される。
※現在の借地借家法では、当初30年、1回目の更新では20年、2回目以降では10年となっておりますが、旧借地法では、上記の更新期間で継続されることになります。借地借家法附則第6条によって現行の借地借家法が適用されるわけではなく、旧借地法が適用されることになります。
借地借家法附則第6条 (借地契約の更新に関する経過措置)この法律の施行前(旧借地法)に設定された借地権に係る契約の更新に関しては、なお従前の例による。
地主に対しては丁寧に説明するのがよろしいでしょう。
地主に対して旧借地法と現在の借地借家法の違いを丁寧に説明することがよろしいかと思います。10年で契約をしたところで、結局は20年となります。
まとめ
地主も借地人も当初から代替わり等していると、このような間違いは起こりやすく、小さなことからトラブルに発展してしまうケースもあるため気を付けなければなりません。「良いとこどり」をしたい気持ちは非常によくわかりますが、借地権は、旧借地法と現在の借地借家法が混在しており複雑ですので、わからない場合はお気軽にご相談ください。