借地権付き戸建てを購入するメリット・デメリットについて私なりの考えを述べさせていただきました。
メリットについて
1.所有権に比べて価格が安い
現在、不動産の価格が高騰しているので、なかなか購入に踏み切れない方が数多くいらっしゃると思います。スーモなどに掲載されている物件を確認したところ、借地権付き戸建ては、所有権に比べて価格が3割くらい安く掲載されております。
2.借地権でもその立地に半永久的に住むことができる
借地権付戸建てでもその立地に半永久的に住むことができます。借地借家法第28条には、地主が借地権者に対して立退きを求めるには「正当事由」が必要と記載されております。「正当事由」が裁判で認められた判例は少なく、借地権者は半永久的にその土地を利用することができます。ただし、地主との信頼関係を破壊するような行為を繰り返してしまうと借地契約解除になる可能性もあります。
3.底地を買えるチャンスがある。
地主が個人で、相続が発生した時などは、借地権者は底地を購入できるチャンスがあります。地主が相続税を現金で支払えればよいのですが、支払えない場合は底地を物納、金融機関から相続税分の借入、借地人又は第三者への売却のいずれかを選択することになります。借地人が底地を購入できれば、その不動産は「所有権」となります。
4.好立地が多い
私の主観となりますが、借地権の不動産は好立地(駅から10分圏内)が多いように感じております。好立地で、希少性の高い借地権は、売却もしやすいと考えられます。
デメリットについて
1.老朽化した借地権付き建物の売却
借地人が老朽化した借地権付き建物の売却をしようとする場合、それを購入できる方は現金で購入できる方に限定されるため売却しづらいです。なぜなら、購入希望者が老朽化した建物(築20年以上)については住宅ローンを組むことができないからです。借地権の場合、土地の所有者は地主となりますので、購入希望者が住宅ローンを組む場合には土地を担保とすることができません。よって、現金で購入できる不動産会社や法人に限られます。
2.地代・更新料・承諾料等がかかる
借地権では、毎月の地代、旧法借地権であれば20年に1回の更新料、売却や建替えの際の承諾料がかかります。所有権であれば土地についてのランニングコストは固定資産税のみですが、借地権の場合は、上記コストがかかってきます。
3.地主との関係
借地権の場合、常に貸主である地主の存在があります。関係がこじれてしまうと、譲渡や建替えなどに支障が出てくることもあります。譲渡・建替えを認めてもらえない場合は、裁判等の手続きが必要で無駄な費用と労力を使うことになります。
まとめ
借地権を購入しようという場合は、「コスト」と「人間関係」をよく検討することが必要です。不動産仲介会社から購入することが多いと思いますが、その際は土地賃貸借契約書の内容と、将来的にかかる更新料や承諾料をご確認いただくことが必要です。また、地主との関係性も重要ですので、地主との付き合いをしたくないという方にはお勧めしません。ご購入の際にご不安でしたら、ご相談ください。