借地人からの相談 

借地権の売却の流れについて教えてほしいと相談がありました。地主にはまだ連絡はしておりません。

借地権を売却するには、予め地主から承諾を得なければなりません(民法612条)。段階を踏んで進めていかないと、借地権の買主や地主に迷惑がかかって売却が難しくなってしまうことがありますので、注意しましょう。

地主との打ち合わせなければならないのは下記になります。

①譲渡承諾・建替承諾・抵当権設定承諾・借地期間更新料・地代改定がある場合は地代について・その他用途の制限。

上記は、新たな借地人(買主)が現況の建物を解体して新たに建物を新築する場合です。

②各種承諾料等について

1)譲渡承諾料 (借地権価格の10%程度) 

  譲渡することについて承諾する対価としての金額です。現在の借地人(売主)が支払うケースがほとんどです。

2)建替承諾料(建替承諾料は更地価格の3~5%、条件変更承諾料は、更地価格の10%前後)

  旧借地法(平成4年8月1日以前に借地契約)の借地では、非堅固建物である木造→木造の場合と木造→堅固  建物の鉄筋コンクリート造では承諾料が変わります。非堅固建物→非堅固建物又は堅固建物→堅固建物の場合は、建替承諾料。非堅固建物→堅固建物へ建替えする予定の場合は、条件変更承諾料となります。

3)借地期間の更新

  旧法の借地権(非堅固建物)の場合は、20年更新が一般的です。借地人は、期中での売却希望が多く、その時点で更新料を決めます。新たな借地権者である買主は、借地権取得日から20年間の契約となります。

4)抵当権の設定承諾

  買主が金融機関を利用して購入・建替えを検討する場合は、地主から抵当権設定承諾書を取得する必要があります。買主が決まっていない段階でも取得できるようにしておくとよいでしょう。フラット35などでは抵当権設定承諾が不要な場合もあります。詳細はフラット35ホームページをご参照ください。https://www.flat35.com/business/topics_20231002_2.html

5)その他条件の確認

  地代の改定がある場合の地代の額やその他条件等について確認をします。

各種承諾や条件がまとまったら売却ができます。

 上記について地主と内容の擦り合わせができましたら、売却が可能です。このように売却するまで結構な時間がかかります。専門知識も必要になりますので、まずは当社までお問合せください。

(参考)

民法612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限) 

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

関連記事

TOP