借地人からの相談 

借地権付戸建てが類焼で住める状態ではなくなってしまった。売却しようと思っておりますが、どうしたらよいのでしょうか。

火事やその他の理由で借地権付建物が滅失してしまっても、すぐに借地権はなくならないが、早急にどうするのか決めるべきです。

借地権を売却するには

 借地人の息子からの問い合わせです。借地権の実家が、隣家の火事の類焼で住める状態ではなくなってしまいましたので実家を売却しようと思っております。建替えも一時検討しましたが、実家の両親は高齢で資金的な余裕がないことと、地主からの地代値上げの要求を断ってきたので地主との関係が悪いため売却をすることにしました。どのように進めていけばいいでしょうか。

まずは、第三者への対抗力を掲示しなければなりません。

 まず現在、借地借家法第10条2項(借地権の対抗力)の掲示をしなければなりません。火事から半年近く経過して、建物も朽廃状態ですので、第三者へ借地権を主張するには掲示が必要です。地主と借地人の間では借地権は消滅しませんが、建物が滅失してしまうと第三者への対抗力がなくなるためです。地主が底地を売却してしまった場合に、その新たな地主に対して借地人であることを主張できなくなる恐れがあります。

 次に、地主と交渉しなければなりません。状況を伺うと地代の値上げを断り続けてきたということですから、第三者への売却はスムーズにいかないことが予想されます。第三者への売却について承諾いただけない場合は、地主の買戻しになるかもしれません。地主と借地人の関係性が悪い場合は当社のような第三者を入れていただきたいと思います。譲渡承諾料、建替承諾料、地代の改定などについて打ち合わせをしていきます。地主から承諾について了解を得られたら、買主を探していくことになります。

 最後に借地権の売買契約を締結し、新たな借地人と地主が土地の賃貸借契約を締結します。土地の賃貸借契約書や譲渡承諾書は当社が作成しますので、ご安心ください。

まとめ

 

借地権者の建物が滅失した時には、借地借家法第10条2項の掲示をして、早急に建替えか売却かを決めなければなりません。なぜなら掲示しておけば無期限という訳ではなく、建物滅失から2年間の期限があります。このような場合はまずは当社までご相談ください。

※借地借家法第10条第2項 (建物の登記があることが大前提です)

建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

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