借地権は市場価格での売却は難しいです。例えば、その不動産の相続税路線価が6:4なので、市場価格の6割で売却できる可能性は一部の都心部を除いて低いと思います。まずは地主との話し合いをしなければなりません。
仲介業者さんは市場価格の6割で売り出しましょうと言っております。
借地権を売却したいので、相場を教えてください。仲介業者に聞いたところ、相続税路線価の借地権割合が6:4のため、市場価格の6割で売り出しましょうと言われました。本当にその価格で売却できるのでしょうか。
市場価格での売却ができるエリアはありますが・・・
市場価格で売却することは難しいと私は思います。理由はいくつかありますが、まず一つ目は、立地です。希少性の高い都心部(港区や渋谷区、千代田区)の一部では、市場でほとんど所有権の不動産が出てくることはありませんので、借地権でも需要は高いため、市場価格近くで売却することができる可能性があります。定期借地権のマンションも都心部に集中しております。
次に、今回お問合せいただいている建物の築年数が経過しており、買主は住宅ローンを利用することが難しいため、現金で購入できるような不動産会社や投資家などに限られてしまいます。買主が限られることは価格の低下につながります。
最後に借地権であるということです。地主が寺院などで半永久的に底地が売られなければいいのですが、底地を不動産会社へ売却されてしまうリスクや地代値上げリスクなど、借地権は借地人にとって将来的に不利になるリスクを孕んでおります。また地主とも当然良い関係を続けていかなければなりませんので、ストレスになる場合もあります。所有権であれば、買主は上記のことで悩まされることはありませんし、住宅ローンも組むことができますので、買主が限定されることはありません。
以上が市場価格で売却することが難しい理由となります。ただし、ピンポイントで探しているお客様がいないという訳ではありません。お子様の学校の学区で、その場所でないといけないという理由がある方は購入する可能性があります。実際に、お子様の学区と実家の近くでないといけないというお客様は借地権の不動産を購入されました。
まずは地主と交渉をしましょう。
借地権の相場についてのお問合せでしたが、まずは何はともあれ地主との交渉が先になります。地主が譲渡承諾してくれないことには前に進むことができません。ですので、市場価格での売却を目指す前に、確実に売れるある程度の価格の目途を付けた上で、地主と交渉をすすめていかなければなりません。その際はぜひお手伝いをさせていただきたいと思います。
(参考)
国税庁ホームページ相続税路線価 https://www.rosenka.nta.go.jp/