地主からの相談

底地の売却を検討しています。

 底地を借地人以外の第三者へ売却するのは、最終手段と考えた方がよいと思います。借地人へ売却するか、相続税の物納に充当できないかよく検討する必要があります。

地主が高齢となって管理していくのが煩わしい

 地主からの問い合わせです。底地を売却したいと考えております。地主自身が高齢になってきたので相続で底地を残したくないという気持ちと、土地を管理していくのが煩わしくなってきました。相続予定者(息子と娘)がいるのですが、土地を管理していくことはしたくないと言っております。将来的に土地が戻ってくる可能性も低いので、今のうちに換金しておこうと考えております。ただし、昔から所有している土地であるため、安い金額で売却はしたくないです。どうしたらよいのでしょうか。

回答 

 底地を売却するパターンとしては、①借地人へ売却 ②不動産会社含めた第三者への売却 ③借地人と同時に売却する方法があります。

 まずは借地人に対して購入の打診をすることがよろしいかと思います。借地人も長年その場所に住んでいらっしゃると思うので、所有権になればメリットも大きいと思われます。また、借地人であれば、底地購入のためにローンを組むこともできる可能性がありますので、売却しやすいです。

 また、借地人と話をしていく中で、底地と同時に借地権を売却したいという話も出てくることもあります。同時売却であれば所有権の土地を売却することと同じですので、底地単体あるいは借地単体で売却する場合と比べて購入検討者は増えてくるので、それぞれ単独で売却するよりも手取り金額は増えるのではないでしょうか。

 底地を専門に購入する不動産会社はありますが、金額は更地価格の1割~2割といったところですので、地主にとって大きなメリットはありません。不動産会社である買主が購入することには慣れているので、一般的な売買契約を締結して決済を待つだけですので、地主の手間はかかりません。

 底地売却をしないということも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。底地は相続税支払いをする際の物納劣後財産にはなりますが、相続発生時に現金支払いでは足りない部分を底地で物納することも可能です。不動産を国へ物納する場合は少しハードルが高いのですが、境界標が入っており、越境などでの争いがない等が条件ですので、1つずつ底地の状況を確認してみてもよろしいかと思います。

 以上となります。いずれにしても地主が直接借地人とやり取りするのも大変ですので、当社のような第三者を入れてお話しをされることをお勧めいたします。

まとめ

 底地の売却をする場合は、底地とそこにいる借地人の状況をよく把握したうえで進めていかないと、結果的に取った方法が良かったのか悪かったのか判断できません。底地の整理をお考えでしたら、一度当社までご相談ください。

(参考条文)

相続税法施行令 第19条物納劣後財産 法第41条第4項に規定する政令で定める財産は、次に掲げるものとする。 

1項 地上権、永小作権もしくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地


相続税法第41条 4項 第2項各号に掲げる財産のうち物納劣後財産(物納財産ではあるが他の財産に対して物納の順位が後れるものとして政令で定めるものをいう。)を物納に充てることができる場合は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、それぞれ第2項各号に掲げる財産のうち物納劣後財産に該当しないもので納税義務者が物納の許可の申請の際現に有するもののうちに適当な価額のものがない場合に限る。



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